
『愛憎の王冠〈上〉――ブーリン家の姉妹2』
『愛憎の王冠〈下〉――ブーリン家の姉妹2』
フィリッパ・グレゴリー/著 加藤洋子/訳(集英社文庫)
原題はQueen's fool(女王の道化)なのだが、なんでこんなハーレクインみたいな邦題にしちゃったんだろう。副題の「ブーリン家の姉妹2」というのも原題にはない。確かにブーリン家の姉妹の続編的位置づけの作品ではあるが、ブーリン家はもうほとんど話に絡んで来ず、主人公はメアリ1世とエリザベス1世の姉妹なので、つけるならテューダー家の姉妹とでもするべきだろう。
そんなわけであれだけ文句を言っていた『ブーリン家の姉妹』の続編に手を出してしまったのは、メアリ1世に好意的に書かれていると聞き及んだからだ。
私は特にメアリが好きというわけじゃない。だが彼女は悪く言われ過ぎだ。以前姫野カオルコがブログで「メアリ・スチュアートは自分が応援しなくても世界中の偉い男たちが味方してくれるからいいけど、同じメアリでもブラッディ・メアリの方は私が味方してあげなくちゃという気持ちになる」みたいなことを書いていたけど、まさにその心境。世間の奴らはブスには何言ってもいいと思ってるからな。

2009年 日本
監督・脚本・編集 : 冨永昌敬
原作 : 太宰治
出演 : 染谷将太, 川上未映子, 仲里依紗, 窪塚洋介, ふかわりょう
音楽 : 菊地成孔
実は飛行機の中で見たのだけれど、ちゃんと映画館で観ればよかった。 原作厨も大満足の良い映画でした。
太宰文学というと、とにかく暗い、というイメージを読みもせずに(あるいは『人間失格』一作を読んで)抱いている人が多いが、救いようがないほど暗い作品、というのは実はそんなに多くない。
しかし、じゃあ底なしに明るいのか、と言うとそれもまた違う。
太宰は、おかしみの中にペーソスを、かろみの中に恐怖を、明るさの中に死の気配を上手くちりばめて読者に差し出す。
そして、原作のストーリー等は多少改変しているにも関わらず、原作の持つ「手触り」はそのままスクリーンに移し変えているのがこの映画だ。
と複数の方からご指摘をいただき、自分でも確かにそのとおりだと思いまして、生存報告の場として噂のTwitterに登録してみました。
http://twitter.com/agneaudor
システムがまだよく分かってないんですが、アカウント持ってる方はフォローして下さい&させてください。(って、頼むようなものなのかもよく分かんね)
そのうち飽きてあっちでもこっちでも生死不明になったりして……
命をかけて友人を救おうとした女性がいた。五十年たってその人は老婦人となり、まるで何事もなかったかのような静かな表情で、小さなアパートの一室のソファーに腰掛けていた。友人たちも、せっかく生き残った者も、一緒に救おうと協力し合った人たちも、みんな死んだ。やがて彼女も死ぬだろう。そしていつかわたしも死ぬ。
小川洋子『アンネ・フランクの記憶』p.155 (角川文庫)
今朝、メールソフトを立ち上げてみたらGoogleAlertからのメールがドバドバ届いていて、何事かと思ったら、そういうことなのであった。
御年100歳。
年齢が年齢だし、不謹慎ながら「Miep Gies」の語をAlertに加えておいたのはこんなこともあろうかと思ってのことだったけれど、実際に訃報に接してみるとやはり粛然とした気持ちにならざるを得ない。ついに逝ってしまったかと。
小川洋子の『アンネ・フランクの記憶』で、アンネの友人だったジャクリーヌさんにインタビューをしていた著者が、忽然と「今自分は死んだ人間を話題にしているのだ」と気づく場面が出てくる。私たちにとってアンネ・フランクは歴史上あるいは文学史上の人物だけれど、ジャクリーヌさんやミープさんにとっては何よりもまず親しい友人であった。
生き残るのも、英雄扱いされるのも、死んだ友人について語りつづけるのも、簡単なことではなかっただろうと思う。彼女が心痛や悲しみを抑えて語り続けてくれたことに改めて感謝したい。願わくばミープさんの魂が永遠の安らぎの中に憩わんことを。
以下、記事の引用